錨針固定用冶具

試作から針固定位置、ヒゲ(ハリス)逃げ加工を見直してあります。

梃子の原理から・・・力のかかる位置はバネよりの方が強力に保持しました。


 写真の通り、3本錨用、4本錨用の二種類があります。

大まかな構造は・・・【洗濯バサミ】をモデルにしています。

実際に針を巻くときは、針2本+ハリスで下巻き→追加針を添えて根巻き→チモトを揃えた状態で冶具に挟みます。

挟んで噛むことで・・・自動的に必要な針角度に開閉しますから、すぐに持ち手を針から冶具に換えて・・・グルグルとテンションを掛けて巻くことが可能となりました。

巻き終わり時はスリッド(切れ目)の部分の針先へ絡ませた後にトックリ結びをして、一次固定・・・冶具からはずして、端末処理後に錨ストッカー行きです。


3本錨、4本錨をそれぞれ冶具にセットして巻いてみた様子です。

スリッド部を0.45mm近辺に調整してあるので、軸径、針形状によっては専用の冶具を作る必要がありそうですが・・・今のところ大丈夫そうです。
  
手巻き時に10個も巻けば手が攣りそうになっていましたが・・・コレで改善できますし、下巻き→角度固定→根巻きの工程から同等の品質も確保できそうです。
(以前取り上げたように個人的にハリスの下巻きは必須と解釈しています)

また、作成の際・・・特に注意したことは面だし、スリッドの直線・・・それとズレ防止ピンの加工でした。


ちょっと分かり難いですが、金具付近(写真中央部)に2本ピンを立て・・・これにより挟む部分が常に垂直に上下する機構となっています。

最初、ピンを入れなかったときは只の木製洗濯バサミと同じで・・・噛む位置が毎回ズレて錨の精度が出せませんでした。

ピンを入れ、スリッド加工を施すことで、綺麗に上下に移動します。ただ、バネ固定は難儀します(笑)

別な試作品には噛む部分にウレタンゴムを入れて保持力向上を狙ったものもあるのですが、結局はシンプルに木のみとしました。

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