錨針とハリスの関係

釣りに行けないので最近は娘が生まれた時と同様に、机上でアレコレ考えて過ごしています。

 仕掛けだったり、釣り方だったり、道具だったり・・・。今回は以前から考えていた錨針と針の関係について少し。


 通常、四本錨ならば針の号数に対して1号とか1.2号とか決めている人が多いようで、名人の意見を参考にされている方もいると思います。

 自分の場合は「針の線径」に対して「ハリスの直径」を三本錨、四本錨の場合で決めています。

 大前提ですが・・・針とハリスの関係で一番のトラブルとなる【すっぽ抜けしない事】がハリス選定の基準としています。

 そして、まずは比較的簡単に考えられる四本錨をモデルにしてみたいと思います。


 針の隙間をXとした場合、ハリス直径がその隙間以上あれば、基本的にすっぽ抜け難いと判断できます。

 その隙間の距離は・・・左の画像の通り、針に外接する正方形の対角線から針の直径を差し引いた長さになります。

 式はX=【針の直径】×√2-【針の直径】です。
     =【針の直径】×(√2-1)

 この値を針の線径、隙間、隙間以上のハリスの順で並べると以下の通りとなり・・・ほぼメーカーの推奨通りの結果となりました。
 
 針の線径   隙間   隙間以上のハリス

 ・0.46mm  0.191mm  1.5号(0.205mm)以上
 
 ・0.41mm  0.170mm  1.2号(0.185mm)以上

 ・0.39mm  0.162mm  1.0号(0.165mm)以上

 ・0.33mm  0.137mm  0.8号(0.148mm)以上

 ※7号の標準的な直径は0.41mmが多い



 続いて三本錨の隙間ですが、簡単にするため・・・隙間の最大長Yで考えてみます。

 図形の距離の計算から、隙間Yは針を三本重ねた外接正三角形の高さから、針一本分の外接正三角形の高AB、及び針の半径rを差し引いた長さとなります。

 【外接正三角形高さ】=(3+√3)×【針の半径】
 【針一本分の外接正三角形高さ】=3×【針の半径】
 
 式はY=(3+√3)×【針の半径】-3×【針の半径】-【針の半径】
     =【針の半径】×(√3-1)

同様に針、ハリスの関係を並べてみると予想通り四本錨時よりも細いハリスが使用できる値となりました。


 針の線径   隙間   隙間以上のハリス

 ・0.46mm  0.168mm  1.2号(0.185mm)以上
 
 ・0.41mm  0.150mm  1.0号(0.165mm)以上

 ・0.39mm  0.143mm  0.8号(0.148mm)以上

 ・0.33mm  0.121mm  0.6号(0.128mm)以上

 ※実際の三本錨の隙間はかなり狭く、値はマージンを含んでいると考えてください。

 以前説明しましたが、錨針を巻く際に下巻きをした方が・・・より隙間がなくなる事はこの計算と図からも明確なので説明は省きます。

 これらの値を【基準値】とし、最終的には針の重さ、形状を考慮して号数、材料を変えています。


 余談ですが・・・鮎釣りを始めたばかりの頃は三本錨しか使っていませんでした。

 四本錨+フロロに変えてからは三本錨はほとんど使用しませんでしたが、たまに使うと?と違和感です。

 恐らく三本錨+フロロの組み合わせもあるかもしれません・・・初年度で使ったナイロンハリスにて後日確認してみるつもりです。

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